ルパンレンジャーの中でもひと際沈着冷静。
寡黙なシェフでもあり徹底的なリアリストなのがルパンブルーこと宵町透真。
2018年7月15日に放送された第23話「ステイタス・ゴールド」は、そんな透真と、快盗なのか警察なのかもよくわからない謎の男、高尾ノエルとの物語。
そして何故か料理対決という…なんかよくわからないストーリー仕立てとなっています!!
【前回の感想】いい人ですね。「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー #22 人生に恋はつきもの」の感想
ルパパト 第23話「ステータス・ゴールド」
#23「ステータス・ゴールド」のあらすじ
今回は珍しくギャングラーのアジトから…
いつもの玉座にドグラニオの姿はなく、代わってそこで酒盛りをする3人のギャングラー怪人。そこへ戻ってきたドグラニオ御一行様。
ボスの椅子に座っていたのはライモン。
ゴーシュ曰く、「人間界で悠々自適な暮らしをしている」というライモン軍団でしたが、それが満を持して跡目争いに参戦するという事で、いずれ自分が座るであろう玉座で前祝いをしていたというわけ。
新幹部候補、ライモンとその軍団の実力はいかに!!
今日のランチ「白身魚のムニエル(適当)」に舌鼓を打つノエル。
それに対して素っ気ない透真。
まるで水と油のようなふたりですが…ノエルはそんな透真を今回の仕事のパートナーに指名。
実はまだ公にはなっていないものの、料理学校講師の連続失踪事件が発生しており、国際警察側はギャングラーの仕業と考えているとの事。
そこで、国際警察も例の3人で囮捜査を試みたのですが…
この3人、料理はてんでダメという事で、悲しいかな囮にすらなれずじまい…
そこで白羽を立てたのがビストロ・ジュレのシェフでもある透真。
今回は透真の助手という形でノエルがサポートする…という協力依頼に対し、「(ルパン)コレクションは俺が頂く」という条件で透真も合意します。
というわけで宵町シェフの料理教室が開校…
生徒たちに解説しながら手際よく調理を進めていきます。
なんかニチアサが料理番組みたくなってますが…(笑)
そんな宵町先生の講義に耳を傾ける生徒さんたち…
…の中に明らかに違和感があるというか、場違いな大男の姿。
人を見た目で判断するわけではないんですが、誰がどう見たって怪しい(笑)
と思ってたら本当に怪しかった(笑)
この男の正体はギャングラー怪人ウシバロック・ザ・ブロウ。透真とノエルを拉致してしまいます。
(囮なんで魁利も初美花もその様子はちゃんと見ているわけですが…)
とういわけで、まんまと潜入を果たした透真とノエル…
そこで、ウシバロックの愚痴から今回の事件の動機を知り、早速お宝奪還と戦闘を仕掛けますが…そこにやってきたライモン!!
その胸の金庫は金!!
百戦錬磨なはずのノエルでも思わず息を呑む「ステイタス・ゴールド!!」
要するにただもんじゃないって事!!!!
それでもライモンの隙をついてルパンコレクション奪還に挑みますが…
いつものようにVSビークルをあてますが…
110の開錠コードはERROR表示で開かず、逆にライモンの反撃を喰らう事に!!
なんと透真のブルーダイヤルファイターが破壊され、変身解除!!
これはヤバいとノエルが機転を利かせて脱出を果たすのでした。
辛くも難を逃れたとはいえ…
ブルーダイヤルファイターの破損は深刻…
普通の金庫を開けるどころか、快盗チェンジすらできない状態。
そこへウシバロックから拉致した料理人たちに向けて料理対決のアナウンス…
コレクションの修理は自分に任せて、料理対決に向かえというノエルでしたが…
ブルーダイヤルファイターは自らの願いをかけて手にしたもの…
そうやすやすと他人に預けるわけにはいかないとこれを拒否します。
すると…
透真に対して他人とは思えなかったと言うノエル。
その真意は…囮とはいえ、料理と向き合う透真の姿はプロフェッショナルそのもの。そして自分は、快盗だったり警察だったりと立場は違えども、ルパンコレクションを扱うプロフェッショナルなのは同じ。
同じプロだからこそ、壊れたコレクションをそのままにはしておくわけにはいかない。
この気持ちも信じてもらえないかと透真に問います。
透真の出した答え…
きっと、透真のことだから感情論でこられても、心が動くことはなかったと思います。
でも、仕事に対してプライドを持っているから…
そして、プロフェッショナルとしての矜持を胸に持っているから…
ジャンルは違えど、同じプロフェッショナル同士。
プロフェッショナルとして仕事に誇りを持つ者であれば、その誇りを曲げたり汚すような真似は絶対にしない。
感情で動くことはなくても、プロとしての誇りは理解できる…
透真にとって一番痛いところというか…逆に透真にとって一番曲げられない場所をつかれた。
だからこそ「お前と手を組むんじゃなかった」…そう思ったんでしょうね。
ノエルにブルーダイヤルファイターを託したのです!!
ウシバロックとの料理勝負に赴いた透真。
…ふざけているわけではありません。真剣な料理対決です!!
豪快に調理を進めていくウシバロック・ザ・ブロウ…
(お父さん世代なら「料理の鉄人」の”和の鉄人”道場六三郎氏が浮かんだのではないでしょうか…というか絶対そうじゃん。)
それに対して繊細な手つきで料理していく透真…
包丁でミニトマトの皮をむく手つきも、フランベも実に堂々たるもの。
まさにプロフェッショナル!!!!
(演じている濱正悟さんに料理の経験があったのかどうかも非常に気になりますが…)
これなんかは「シーフードと夏野菜のテリーヌ コンソメゼリー寄せ」とかになるのかな。
一方、透真のVSチェンジャーを修理するノエル…
そこには確かにふたりのプロフェッショナルな姿がありました!!
実食…
透真の料理を口にしたライモン軍団のリアクション!!
まさかの首が飛んで、涙がちょちょぎれて、バラの花園へ…
ここまで大袈裟な「うまい」の表現って…まさかまさかのミスター味っ子?!
プロフェッショナル論がテーマみたいなところがある一方で、とことんパロディーで遊んでますよね(笑)
とにかく料理対決は透真の圧勝!!
逆切れしたウシバロックは透真に襲い掛かります!!
そこへ修理を終えて駆け付けたノエルが合流。
ブルーダイヤルファイターは完全に治った状態で透真の元へ。プロの仕事を見せつけたノエルと、プロの料理人としてきっちり勝利した透真。
互いの「プロフェッショナル」としての矜持が結び付けた絆!!
そして、透真とノエルによるW変身!!
そこに魁利と初美花も加わり…
ルパンエックスを含めた4人での快盗戦隊ルパンレンジャーの初名乗り!!!!
あとは…
ルパンブルーに電子レンジの力の源…ルパンコレクションを奪還され、ルパンカイザー&エックスエンペラースラッシュという2大ロボ揃い踏みにてあえなく終了です。
囮捜査失敗以外、全く出番のなかったパトレンジャーの3人…
その間にノエルが事件を解決したと知ってびっくり。しかも快盗と手を組み、快盗の力で解決した…と。
そんなノエルに対して、残った2体のギャングラーの情報を教えてほしいという圭一郎。
「我々の方でも警戒したい」…と。
圭一郎としては、目的の為なら快盗をも利用するノエルのやり方は承服できかねるところもあると思うんですが…その思いをあえて呑み込んで、ノエルに情報提供を求める。
「人々の平和と安全を守る。」それを第一優先に考える圭一郎も…やっぱりプロフェッショナルなんでしょうね。
一方ジュレでは…
今までのやり方では開けられない金庫の存在を知って狼狽する魁利。
ノエルの事を話す透真の口ぶりから透真の変化を感じ、ノエルの事を信じるようになったんだ?とツッコむ初美花。
思わぬツッコみに狼狽する透真…
「少しだけ」と言いつつも…
ノエルが直してくれたブルーダイヤルファイターを見つめてほほ笑む透真でした。
今日の早見初美花
気付けば今回はギャングラー側のドラマと、透真とノエルの絡み。そして料理のシーンなんかがかなり長かったので、パトレンジャーもそうですが、魁利と初美花の出番もあまりありませんでした。残念!!
全然信じないよね~
ランチに舌鼓を打つノエルに対して素っ気ない透真。
そんな透真に対して「透真ってノエルさんの言う事、全然信じないよね~」と上目遣い。
なんだかんだで今回は初美花のこの台詞がキモというか…最初と最後で違うよねぇっていうのを伝える役回り。
もちろん、芝居でわからせるべきところではあるんですが、小さいお子さんにもわかりやすく初美花のフィルターを通して説明させてる…
初美花ってちょっと天然でつかみどころのない感じ…というキャラ設定されてますが、なんだかんだで視聴者に一番近いポジションで、わかりにくいところを質問したり、あえて言葉にする事で説明してる。
サブキャラとしてストーリーに絡む場合は、そういうポジショニングが多い気がします。
その後、ノエルが透真を指名した時の反応。
そして、囮捜査だとわかってこの表情…
それって本当に大丈夫なの?っていう疑問は誰でも思う事だから、それに対してノエルが助手として帯同する。だから大丈夫だよ…という説明にもなってますね。
信じるようになったんだ?
そしてラスト…
透真の口ぶりから変化を感じた初美花の台詞…
「透真、ノエルさんの事、信じるようになったんだ?」
これって透真自身も気付いてなかった変化なのかもしれませんが、初美花に見抜かれ動揺する透真。
そうやって人は変わっていくんだなぁ…なんて事を思ってみたり。
第23話 感想
なんだかんだで追加戦士って、今までの構築してきた世界観の中に横からどんと入ってくる、異質な存在だったりもするので、既存キャラとの絡みを描いて絆を深める様子を描くパターン。
ルパンレンジャーの中でも難攻不落のような存在でもある透真に対して、ノエルがどう向き合ってどうやって信頼関係を築いていくかが今回のテーマ。
透真ってクールなリアリストですが、序盤では国際警察の実戦部隊に配備されたVSチェンジャーを見て、隙あらば奪い取ろうとしたり、国際警察本部に乗り込んででも奪還するんだ…という強い意志を見せており、「奪われた恋人を取り戻す」為ならなんだってやる…という面を持ったキャラクター。
そんな透真が自らのブルーダイヤルファイターを預けるなんて、余程の事がないとあり得ない話。
でも、そんな透真をも動かしてしまったのがノエル。
感情論に訴えてもきっと響かないであろう透真に対して、「仕事へのプライド」という…自らの宿願と同じぐらい透真が大事にしているものに対して、自らも「仕事へのプライド」を示すことで、共鳴現象が起きた…
要は大人の絆の結び方だなぁって思いました。
「俺、あいつの事はいけ好かない野郎だと思ってるけど…あいつの仕事っぷりだけは信用できるんだよね」…っていうヤツ。
そんな大人のドラマを見せてくれたのに対し…今回の台本は思いっきり遊んでましたね(笑)
そもそもライモン軍団って…「西部警察」の大門軍団からきてそうだし、今回のキャラなんてまんま道場六三郎氏だし、キッチンスタジアムだし、ミスター味っ子だし…
とにかく色んな要素を詰め込むだけ詰め込んだもので、透真とノエルの世界観との対比がすごく面白かったです。
今週のルパンコレクションって…電子戦隊デンジマンの変身アイテム「電子リング」がモチーフ。
その能力は…
分子を振動させる力…つまり電子レンジと同じって事!!
それがデンジマンにかかっているっていうのも面白いですね。
(ルパンコレクションって今までの戦隊シリーズにゆかりのあるアイテムがモチーフになってたりもしますが、それってシリーズ全体に繋がる裏設定的なものがありそう。∀ガンダムの「黒歴史」的な…)
さて、金色でステイタス・ゴールドって言われたら、なんだかクレジットカードの世界のような感じもしますが…
少なくとも「ステイタス・ゴールド」のギャングラーの金庫は今までの方法では開けられないという事で…これは今後、何らかの形でのパワーアップに繋がっていくのかなぁって感じも…
そういえば前回、ノエルがコグレからルパンコレクションを借りてましたし…
さらにこの考察は来週以降にも繋がってくると思いますが、来週がライモン軍団のもう一体との対決で、再来週がついにライモンとの直接対決になるんじゃないかと思うんですね。
それを裏付けるかのように、番組公式HPのキャラクターのところにライモンの名前がないので、ライモン軍団として今後何話か続けて登場するものの…恐らくレギュラーではないんですよね。
ただ、「ステイタス・ゴールド」という今までとは異質の強さを持った敵であることは間違いないと思うんで、ひょっとしたら再来週はライモンになす術なくやられてしまい…その翌週にパワーアップして打倒。
(そのパワーアップによる副産物として、ステイタス・ゴールドの金庫が開くんじゃないかと…)
そんなパターンになるんじゃないかと勝手に思っています。
次回予告
来週のルパパトは…
ノエル絡みでストーリーが進行するパターンと思いきや、なんと魁利とつかさのメイン回!!
魁利とつかさって…以前、圭一郎が入院した時に、お見舞いと称して情報収集に行き、初美花と咲也のバックアップのつもりがつかさと遭遇してしまう…なんて事もありましたから…
しかも、その時に自分自身が犠牲になってでも人々の平和と安全を守る…というのが理解できないと魁利は言っていましたから、その辺も踏まえての次回という事で非常に楽しみです!!
【関連記事】快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー #15「警察官の仕事」の感想
7/23追記
というわけで第24話の感想です!!
快盗という立場の魁利はまあいつも通りとして、つかさ先輩の過去や仕事に対する原動力みたいなものも見えてくる回なんで…
明神つかさ神回って事でいいんじゃないかと(笑)

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー VSビークルシリーズ DXブルーダイヤルファイター
- 出版社/メーカー: バンダイ(BANDAI)
- 発売日: 2018/02/10
- メディア: おもちゃ&ホビー