2018年9月2日に放送された快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーの第30話「ふたりは旅行中」の感想です。
あの圭一郎が休暇をとって旅行に出るのも奇異なら、そこに魁利が居合わせ…なぜかふたり旅となるのもまた奇異な話。
なんでそうなったのか、そしてそのふたりの珍道中の結末は?
そんなところをまとめていきたいと思います。
ルパパト 第30話「ふたりは旅行中」
#30「ふたりは旅行中」のあらすじ
なにやら書類を書いている圭一郎…
「明日は頼んだぞ」と激励する国際警察でしたが、そこにあざとくノエル登場。
何の話か聞いてみますが…
恐ろしい三文芝居ではぐらかそうとする国際警察の面々。「そう、旅行だよ」ってな感じで、一生懸命ごまかそうとします。
明らかに怪しいと感じつつも一旦はそれを受け入れるノエル…
翌日…目的地に到着した圭一郎。早速行動を開始しようとしますが…
「あれぇ?圭ちゃん?!」と聞き覚えのある声!!!!
振り向くとなんと目の前には魁利!!
これは奇遇だなぁと言わんばかりにまくしたて、圭一郎が表向きは非番である事を持ち出して、だったら一緒に周ろうよと提案。
非番であると言ってしまった以上、無下に断るわけにもいかず…かくして圭一郎と魁利によるふたり旅が…
実は…
あからさまに怪しかった国際警察の面々の態度から、これには裏があると読んだノエル。ビストロ・ジュレでその話をして、魁利に圭一郎の様子を探ってくるよう頼んでたんですね。
確かに…
ギャングラーの毒で瀕死の重傷を追いながらも戦地に赴いた事もありましたし…
使命のためなら思いを寄せる女の子もふってしまう圭一郎…
そんな圭一郎が有休休暇をとるとか…快盗側でもそれはありえないよねーという話に(笑)
というわけで、圭一郎と魁利の珍道中の始まり。食事でも射的でもはりあう二人…
と、そこに泣いている女の子をみつけた圭一郎。
理由を聞こうと声を掛けますが、やっぱり子供に好かれない圭一郎…
そこで、圭一郎の顔をぐんにゃりひんまげて怖くないでしょ…と場を和ませる魁利。
ようやく警戒心が解けた女の子。
買ってもらったばかりの髪飾りをなくしてしまい、探そうとしているうちに迷子になってしまったとのこと。
女の子を交番に引き渡し、自分は髪飾りを探しに行くからと圭一郎。その後ろ姿を見送りながら、ふと兄の姿が魁利の脳裏をよぎります。
近くのお店で同じ髪飾りが売っているのを見つけた魁利。見つけたという体で女の子に渡そうとしますが…
そこへ…
「あったぞー」と駆け寄る圭一郎の姿。
女の子がなくした汗水流して一生懸命見つけてきたんですね…
一方、ギャングラー側ではカンクス・ブチルメルカプタンが行動を開始したという事で…思わず青ざめるゴーシュ。
(まあ元々青いですけど…)
ただ、このギャングラー怪人は時折姿を見せるものの、特に何もせずに姿を消しているという事で…国際警察としても情報こそキャッチしているものの、どう対処すべきか検討中といったところ。
「だったら圭一郎を呼び戻したら?」とあざとい質問を投げるノエルでしたが…やっぱり三文芝居でごまかされる始末なのでした。
これにはさすがのノエルも呆れ顔…
女の子の件があってから表情を曇らせる魁利。
「本当にどうしたんだ」という圭一郎の言葉を受けて、兄との思い出を語り始めた魁利。
兄と遊園地に行くはずだった魁利。ですが、その途中に迷子の女の子を見つけたので、魁利よりも女の子を交番に連れていく事を優先した兄。
女の子の手を引く兄の後ろ姿を見て「俺の兄貴なのに」と嫉妬する魁利。自分も女の子を助けるって言えなかった事に引け目を感じていたと話す魁利に対して、「そんなことはない」と返した圭一郎。
さっきは俺に助け舟を出してくれたじゃないか…と。
さらに続く兄との記憶…
「そんなことはない」と兄。魁利も我慢して待っていてくれたじゃないか…と。
(まさか初美花への鼻むぎゅの原点が兄とのやりとりにあったとは!!!!)
そんな中、急に鳴り出す圭一郎のスマホ。
本来の任務を遂行すべく、魁利には親戚に会うからと言い残して去っていきます。
圭一郎の後ろ姿を見ながら、「俺もそんなことはないと言いたかった」とつぶやきます。買ってきた髪飾りをぎゅっと握りしめて…
再びカンクスが出現した事を受け、現場に急行したつかさと咲也。警察チェンジして交戦開始します。
その頃、取引現場に圭一郎の姿。
取引相手の持つVSビーグルを金で売買する…とみせかけて、美術商を痛めつけて現金だけをせしめようとする強盗グループの仕業。ギャングラーの可能性もあった為、圭一郎が向かうことになったというわけ。
もちろん国際警察の戦力部隊のリーダーだけあって、変身せずとも人間のゴロツキぐらいはおちゃのこさいさい。威嚇だけで十分…みたいな。
まさかこのエピソードが伏線で、この時逮捕された美術商の証言から、盗品を餌に金だけ巻き上げる強盗グループがいる事が発覚し、今回の事件に繋がっていたとは…
というわけで、強盗グループの身柄をおさえて、新たなVSビークルを手に入れた圭一郎。ノエルに黙っていたのは、そのまま新ビーグルを国際警察の戦力にしてしまおうという目論見があったかから。そしてその報は国際警察にもすぐさま伝えられましたが…
その一部始終を魁利も見ており…
「出し抜くほうなら負けないぜ」と圭一郎を急襲。
ルパンカードでビークルを弾き飛ばして新ビークルを奪う魁利。
お互い変身してWレッドの戦闘開始!!
ただ、パトレン1号に銃口を向けつつも、撃つ事を躊躇したルパンレッドに対して、「お前にしては甘い戦い方だな」とパトレン1号。お宝は頂いたからさっさと帰りたいんだよというルパンレッドに対して、渡した覚えはないとますますヒートアップ!!
一方、カンクスとの戦闘のさなか、謎の爆発に苦しめられるパトレン2号・3号。
「銃は使うな」とつかさの指示が飛びます。
その様子をうかがっていた透真・初美花・ノエルの3人。だったら接近戦で…という事で、この戦いに乱入。
そしてあっさりとルパンコレクションを奪還するのですが…その場に立ち込める異臭。
「くっさー」
と苦しみ出すルパンレンジャー&パトレンジャー。
なんとルパンコレクションの力は臭いを封じ込めるというもの!!
初美花「くさくさの臭すぎー」
つかさ「おい、快盗。それを金庫に戻せ」透真「戻すかー」
つかさ「行くぞ、咲也」「嫌だー」
これまでにないような珍妙なやりとりが繰り広げられる阿鼻叫喚の地獄絵図。
異空間にあるギャングラーのアジトでも、見ているだけで臭くなるとドラグニオ。さっさと手を貸してこい指示を出します。
ゴーシュも嫌々ながら現地に向かいますが…あまりの臭さに即退散。異空間から手だけ出して能力発動!!まだやられていないのに巨大化というこれまた珍現象に!!
ただ、カンクスの真骨頂はここから。
強烈な臭いを伴うガスは可燃性が非常に強く、今まで姿を見せては何もせずに去っていたのは、ルパンコレクションで臭いを封じ込めたガスをまき散らしていた為!!
そして、そのガスを一気に引火させた事で、辺り一面爆発し焦土と化します。
こんな時にあのVSビークルさえあれば…と嘆くノエル。
グッティもあらわれて消防車型のVSビークルだよと解説。
そして、その急報はルパンレッドと戦闘中のパトレン1号の耳にも!!
ここで圭一郎、苦渋の決断。
「ルパンレッド」と叫んだ圭一郎。そして、ギャングラーの手によって大規模火災が発生している事、それを止める術は今ルパンレッドが手にしているVSビークルしかない事。そして、自分のパトカーよりもルパンレッドの飛行機の方が早く現場に向かえる事を告げます。
「何言ってるんだ」と銃口を向けるルパンレッド。
「行けーーーーーー!!」と叫ぶパトレン1号。
その言葉に踵を返し、ルパンレッドは現場へと向かいます。
レッドダイヤルファイターで現場に到着したルパンレッド。
ブルーとイエローに一緒に来いとルパンカイザーに。そして新ビークルを武装してルパンカイザースプラッシュマジックへと変形します!!
あっという間に火を消し止め、そしてそのままカンクスを葬り去るのでした。
深々と頭を下げて快盗に新ビークルを渡してしまった事を詫びる圭一郎。
窃盗グループを日本警察に引き渡せただけでも良しとしようとする国際警察の面々。でも、快盗が圭一郎さんのお願いを聞いてくれた事を不思議がるジム・カーターに対し、「なんとなくだが、そこは信じられる気がしたんだ」と圭一郎。
一方…
新ビークルを手に入れ、お疲れ様と声をかけるノエルでしたが…いつもとは少し様子が違う魁利。
頭をよぎる今日の出来事。
そして兄の言葉…
「似てんじゃねーよ。めんどくせぇ。」
とつぶやき、あの髪飾りを握りしめるのでした。
今日の早見初美花
とりあえず今回は初美花のアップが少なかったんで、こんな感じで…
圭一郎のエピソードを話すシーンと、新ビークルで遊ぶ?初美花です。
第30話 感想
正直、今回のストーリーは良かったけど難しかった…
何回も見て、やっと心の動きがわかってきた。…そんな感じです。
魁利にとって兄というのは尊敬すべき人物であり、それでいて自分にないものをたくさん持っている憧れの存在。
だけど、兄と同じようにはなれない事もわかっていて、それがあったからこそ反目もした。そして、いがみあったまま兄が帰らぬ人となったからこそ、絶対に取り戻したい。取り戻してわかり合いたい…そう願うが故に快盗となったわけですが…
そして、今までめんどうなおまわりさん…と認識していた圭一郎の存在。知れば知るほど兄に似ている。
戦闘のさなか、圭一郎(パトレン1号)を撃てなかったのは、圭一郎の姿に兄の姿を重ねてしまったからではないでしょうか。
ただ…髪飾りをなくした女の子への対応。
圭一郎は女の子がなくした髪飾りを懸命に探します。きっと兄もそうしたと思います。
だけど、魁利はお店に売っている同じ商品を買って…それを見つけたよと偽って渡そうとしたんでしょうね。
女の子の為に何とかしてあげたいという思いは同じでも、手段は全く違っていた。
もちろん魁利の選んだ方法はすごく合理的だし、買ってきた事がバレない限りは、誰も悲しまない優しいウソ。
ただ…汗だくになってなくした髪飾りを見つけてきた圭一郎の姿を前に、かつて兄に対して抱いていたコンプレックスみたいなものも蘇ってきたんでしょうね。なんとかしたいという気持ちはあった。だけど今回もやっぱり圭一郎や兄のような行動がとれなかった…
そのジレンマが魁利を苦しめているのでしょう。
圭一郎は圭一郎で、快盗逮捕や新ビークルの奪還は大切。
でも、大規模火災を止める手段は快盗が握っており、しかも移動手段も快盗の方が早い。だったら人命を第一優先し、たとえ新ビークルを渡す結果になったとしても、快盗を信じて快盗に委ねるという合理的判断をしてみせます。
そして、その事が魁利にとっては新たな重荷に…
多分、国際警察を出し抜いてVSビークルを奪い取り、パトレン1号との戦闘に勝って奪い去ったのであれば決してそうではなかったんでしょうが、結果的に勝負を譲られる形のなってしまったのは魁利にとっても不本意な結果。
圭一郎の下した決断が決して軽いものではないというのが理解できるからこそ…新たに手にしたVSビークルの存在は魁利の心の枷となる事でしょう。
かつてはただ相手が憎い…というだけだったふたりのレッド。
久々の直接対決でしたが、それまでの間にあった色々なエピソードが、単純に「快盗」と「警察」というだけでない、新たな関係性を改めて見せてくれた回だと感じました。
そして、これまでなら「目的のためなら手段を選ばない」という快盗としての決意があったからこそ、Wレッドの戦いを優位に進めていたルパンレッドでしたが、相互理解が深まった事で魁利の中で迷いのようなものが生じている…
それが魁利を弱くしてしまったのではないか。そんな事を感じさせる会でもありました。
まあ物語がこれから終盤に向かうにつれて、快盗と警察の関係性であったりとか、戦うべき敵の存在の明確化であったりとかで、色々と変わってくるんじゃないかと思うんですが、魁利がそれをどう克服して本当の強さを手に入れるのか。憧れの兄のようになれるのか。(あるいは兄のようになるのではなく、自分は自分のままでいいから自分の道で強くなる…という結論にたどり着くのか。)
その辺のストーリー展開には期待していますし、今回奪ったというか譲られるような形となった新ビークルの行方…この辺も非常に気になりますね!!
ますます今後が楽しみに思える回でした!!
次回予告
てっきり「総集編」のネタだと思っていたゴーシュの金庫移植実験。
次回はその続編として、自首してきたギャングラー怪人とつかさの物語。このギャングラーが金庫を奪われたのかどうかまではわかりませんが…
どうやらつかさのセーラー服姿も出てくるようなので、その辺も含めて非常に楽しみです!!
9/9追記
つかさ好きにはたまらない!!
表情豊かに演じるつかさ先輩のお顔に、コスプレ的な様子もあって…予想以上の神回でした!!!!

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー VSビークルシリーズ DXトリガーマシンスプラッシュ
- 出版社/メーカー: バンダイ(BANDAI)
- 発売日: 2018/09/08
- メディア: おもちゃ&ホビー